STORY

「Stay Alive-それぞれのMemories-」


あいちっぷニューアルバムリリース直前レビュー
〜キミとのキロク・ボクとのキオク〜

2020年の未来から2015年にやってきたという未来型究極エンターテイメントユニットi*chip_memory

その流れをうけつぎ2021年春新たにスタートをきった未来型アミューズメントユニットi+chip=memory


制服アイドルの日常が歌われたかわいらしい王道アイドルソングで構成された前作に対し
新作ではかっこいいJ-POP、より厳密に定義するならばシンセサイザーロックによって演出される近未来的な世界線からストーリーが展開されていくことになりそうだ

未来からやってきた"キミ"が引っ込み思案な"ボク"をタイムマシンで連れ出して教えてくれたこととは?

未来はどうやってつくってゆくのか?

ささやかな日常の光景、
楽しさ、別れ、せつなさ、再会を待つ気持ち

さまざまな季節を過ごしそして見つけた幸せとは?

全容については筆者も知らないため、ここでは収録されるであろう楽曲を既出のシングルをもとに最新のアレンジが加えられたライブバージョンもふまえながら簡潔にレビューしてみたい

「ミライト-Riding a Timemachine-」
ゴリゴリに刻まれるイントロのビートから弾けるような開放感あふれるサビではじまるこの曲により"キミ"と''ボク''との一連の物語の開幕が告げられる
通常のポップスよりもやや長い構成はタイムトラベルがはじまるストーリーを存分に伝えるものとなっている

「Memories-キロクとキオク-」
シンセサイザーによって織り成すサウンドとせつなさあふれる歌詞によって構成されるこの楽曲はユニット名を体現するあいちっぷ屈指の名曲
新しいアレンジではストリングスが加えられ荘厳さが増している
5枚目のシングルでは「Memories」の舞台が後述の「2020」/「未来で待ってる」より先の世界であることが図示されている、本作での収録順も要注目だ

「流星シンパシー-futureStyle-」
あいちっぷによる七夕物語
宇宙を旅するかのようなキラキラ感あふれる間奏から一旦下がって戻る落ちサビは傑作!現体制では 天羽すい が担当している
新アレンジではギターが随所に追加されている

「Party is CLIMAX-シアワセビッグバン-」
楽しいパーティーチューン!
ライブで行われる振り付けはパラパラで楽しさが増している
こちらも新たにストリングスが加えられている

「2020-地球最後の日-」
"キミ"と歩んできたみちのりを振り返る別れをテーマにした2018年リリースのバラード
地球最後の日とはマヤ暦によると2020年ともいうらしいが、このユニットの歴史を紐解くに2020年度にはいくつもの"最後の日"がありこの曲とオーバーラップする
今のメンバーによるエンディングのセリフも注目

「笑顔の理由-ReStart-」
"悲しみのあとには喜びがある"という"キミ"から教わったことを胸にリスタートをきる2019年リリースの直球のJ-POP
2018年に卒業した美月菜愛が2021年に花咲菜愛として復帰したこともまるでこの歌詞をなぞるかのようだ

「未来で待ってる-a Step of Promise-」
"キミ"とお別れした後の気持ちを強く持つことを歌う楽曲、「2020」とは別視点によるものらしい
エモーショナルなサビの振り付けもキャッチーだ
翠田みゆ のパートではシングルと歌い方が変えられていたり、ベースが打ち込みから生に差し替えられロック感が増している

「太陽の季節-DIVE INTO YOUR HOT SUMMER-」
王道のJ-POPで表現されている海辺で恋する夏ソング
ホイッスルやリズムによってさらに夏の解放感が増している
優月ひな による振り付けもキャッチー、ぜひライブでも観ていただきたい

「愛を分散する能力-Beautiful Dreamer-」
前作のアルバムでは制服アイドルソングを歌っていた彼女たちによる今のステージアイドルソング
この曲もギターロックによって夏が多角的にあらわされているようで、生ベースへの差し替えによってロックテイストがさらに増している
雪野ななみ が担当しているコーラスや落ちサビも聴きどころだ

「Stay Alive-それぞれのMemories-」
現メンバーでは初となる待望の新曲、星野えりこ が歌うパートの歌詞も印象深い
歌詞には今までの楽曲のフレーズが散りばめられて一連の物語の帰結のようでもあり、新しいはじまりを感じさせるようでもある


キミとボクとのキロクとキオク
曲が連なることによってどのようなストーリーが紡がれていくのか

現場でのライブはもとよりニューアルバムもぜひ手に取ってみてそれぞれに感じとってみてほしい

文:山本よういち
 

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